引き続き、35年前、親友と2人でイタリアを旅行したときの話です。出発時の大失敗に続いて、次はちょっと挙動不審だった思い出話です。

ポンペイの遺跡に行った時のことです。
この遺跡は一つずつ説明してもらいたいと思って説明ガイドさんがつくツアーに申し込みました。
ツアーではなく、専属でガイドさんを頼むこともできましたが、ツアーよりずっと高いのでそれは論外。
ホテルで相談するといくつかツアーを紹介してくれましたが、日本語のツアーだと高かったんです。英語のツアーとは相当な価格差があったと思います。
なので英語のガイドさんが案内してくれるツアーにしました。

当日、小型バスでガイドさんが迎えに来ましたが真冬でお客さんが少ないのは飛行機だけではなくどこも同じようで、客は私たち2人のほかは60代~70代くらいのアメリカ人のご夫婦1組だけ。(多い時期は大型バスだそうです)

ガイドさんが一つ一つ英語で説明してくれるのを聞きながら経路順に進むわけですが、
たった4人でガイドさんの説明を聞くので隣のアメリカ人のご夫婦のようにちゃんと「ほうほう、なるほど~」「おお!それはすごい!」みたいにリアクションしないと悪いような気がしていちいち「うんうん」と一生懸命聞きました(笑)

2組4人だけしかいないので、ガイドさんも2人一緒の写真を要所要所で撮ってくれたり細かいところまで丁寧に説明してくれたり、ツアーそのものはすごく良かったです。

でも、この時同時に別の1組のお客さんとガイドさんが一緒に入場したんです。
入ったときが同じなのでずーーーーっと一緒に回ることに。当然そうなりますよね。
そのもう1組は2人にガイドさん1人。

そのお2人がなんと同じ日本人で、50歳代といった感じのご夫婦でした。
そして、このご夫婦が頼んでいるガイドさんが日本人のガイドさんだったのです。

なので、私たちが英語のガイドさんのお話をふんふんと真面目に聞く、その横、次の時はその後ろ、といった注意すれば聞こえる程度の距離でまったく同じものの説明を日本人のご夫婦が日本人のガイドさんの日本語の説明を受けているわけです。

この状況、こうなるのは私たち2人だけじゃないと思います。

顔はにこやかに英語ガイドさんに向けてうんうんと頷きながら、耳は横や後ろで話されている日本語に全集中です。
同時通訳の副音声ですョ。(肝心の日本語のほうがちょっと遠くて聞こえ難いよ~)

遺跡の順路を回り始めたのがほぼ同時だったことと、英語でも日本語でもだいたい1つのもの、場所での説明は似たようなものになるからか、どちらかが早くなったり遅れたりといったことなく、もちろん、一緒というほど近くではありませんが、最後までずっと同じペースで見所を回ることとなりました。

前を向いて自分たちの英語ガイドさんの説明を聞きながらも耳だけダンボになって自分たちの話を聞いているのがまるわかり(だったに違いない)の2人組を気にしてくれて、3人でそこそこペースを合わせてくれたのかもしれないな~とも思えます。

今でもアルバムを見ると(最近の整理で久々に見て思い出しました)「あの時はありがとうございました。おかげ様で細かいところまで完璧によく理解してポンペイの遺跡を見て回ることができました。」という気持ちになります。