昨日のブログで新人さんの受付と会計業務があまりに遅くて待合室が激混みだったことを書きましたが、どんな人でも仕事初日はもちろん、慣れるまでしばらくはモタモタしてしまうのは当たり前だと思います。さらにそれが目の前に待たせている患者さんたちやお客様がいて「イライラした顔(のように見える)」で待っているなと思ってしまうと焦りますよね( ;∀;)

私も仕事では社員の時もパートの時もどちらも接客があったので慣れていないころは衆人環視と思えるようなの中での焦り、経験しました。中でも特に覚えているのCA時代のお酒中心の飲み物サービス、リカーサービスの時のこと。

サービスは丁寧でゆっくり、笑顔で細かいところまで気を遣う、それが当たり前なんですがバブル時代は客席も多くたいてい満席、提供するサービスもリカーの後の食事サービスが盛りだくさんだったのでスピードも勝負。丁寧でゆっくりやらないといけないのにスピード勝負、これが不慣れな新人にとってはプレッシャー、どんくさかったら悲惨でした( ;∀;)

でも新人のころはみんな同じです。
失敗もいろいろありましたが、特に嫌な思い出として覚えているのはド新人だったときに少し上の先輩から酷い扱いを受け、先輩相手だったため言い訳なんてできず悔しい思いをしたから。自分でした失敗ならまだいいんですよね、いっぱいしましたが今ではどれもこれも笑い話。でも悔しかった思いをしたものは年月たっても「あれは酷かった!」と悔しいまま、精神衛生上悪いからホントは忘れたほうがいいんだけど。
めったになかった嫌な体験なのでより覚えているというのも大きいのですが。
素敵な先輩のほうが圧倒的多数だった中、たま~にいた意地悪な人は「あの時はよくも(-“-)」と60歳の今でもよ~く覚えているw

今はどうかわかりませんが、私がCAだったころギャレイと言われる調理室の担当はメンバーの中で1番下の役目、例外なく下っ端から順に調理室の担当をアサインされていました。1番の新人がエコノミークラスの調理室、2番目の新人がビジネスクラスの調理室担当。
それ以上はキャビンと言われる客室でのサービス担当。(ファーストクラスはまた別でした)

ただ、当時調理室担当だとその重労働で(エコノミーとなると200個以上のお肉を焼いてまたトレイに戻す中腰での作業があったり、重いカートを何台も揺れる機内で出し入れしたり)で腰痛になる労災が問題になっていたので、中長距離路線では行きと帰りではギャレイ担当を交代していました。
なのでそのフライトでも私は1番の新人だったので行きは調理室担当、2人の先輩が客室担当。帰りは2人の先輩のうち後輩のほうが調理室担当になって私は客室担当に交代しました。

客室担当だとまずはお酒中心の飲み物、リカーサービス。飛行機の右側と左側の通路を同時にカートが進んでいくんですが、慣れてきたら先輩だろうが後輩だろうが同じスピードで進みます。お客様にとっても公平でどちらかの側が待たされるなんてこともない。
ド新人はどうしても先輩より遅れがちでしたけれど。

私もその時はまだド新人、ただでさえもう1つの通路を担当している先輩より遅れがちになるというのに・・・

その時私がサービスに出たカートの氷が酷かったんです。成田搭載のものが酷い状態であったことは記憶にある限りありません。日本ってそういう意味でも本当に信頼できますね。でも帰りのその東南アジアの国で積み込まれた氷は溶けて1つ1つが全部くっついて、水浸しの中にひと塊の小山状態になったもので、いざオーダーのカクテルを作ろうと氷の引き出しを開けてビックリ。
いちいちアイスピックで適度な大きさに砕かないといけなくて、それが大変なんてもんじゃない。そもそもキレイな状態の四角い氷の状態に砕くことなんて到底できない。なんとか砕いても不揃いで汚いし溶けかかっているのでビシャビシャ。ただでさえまだ先輩ほど手早くキレイにカクテルを作ることができないというのに、氷の状態が酷過ぎて四苦八苦💦

反対側の通路を担当している先輩のほうを見るとアイスピックなど使っておらず、普通にトングでキレイな氷をグラスに入れて優雅に飲み物を作って出している。
全部の氷がそのような状態だったら仕方ないですが、私のカートの氷だけいわば不良品。これはあまりにも酷いと思い、調理室担当の先輩に氷を変えてくれるよう頼んだのですが、「わかりました」と言って調理室に戻ったけどリカーサービスが終わるまで変えてくれなかった!途中で合図を送っても全部無視、ほんとどうしてそんな意地悪をされたのか未だもってわかりません。

結果、氷を砕くだけで大変過ぎ、そこにすごい時間と手間をとられて披露困憊、リカーのカートはなかなか進まず、反対の側を行く先輩のカートははるか先に・・・
飲み物を待たされているお客様はいったいどうして私がここまで遅いのかわからなかったことでしょう。誰からも文句は言われませんでしたが。

やっとのことで調理室に戻ると反対側を担当していた1番上の先輩から当然「遅すぎる!」と注意されました。3人の中で私だけがド新人、2人は先輩だし、調理室担当の先輩を目の前にして氷の言い訳もできないし、後から別のカートを見てみたらキレイな状態の氷がちゃんとあったので酷い嫌がらせだと悔しい思いをしました。
リカーカートは客室担当がおしぼりサービスに出ている間に調理室担当が用意する、そもそも離陸前に調理室のミールやお酒や備品がちゃんとした状態で数に問題なく積み込まれているか搭載担当者と確認するのも仕事の1つ。
もし行きの便で私が氷のチェックを見逃して、さらにそれをリカーカートにセットして先輩をキャビンに送り出しなんてしたら当然のことながら大目玉です。

そのフライトは自分のグループではなくて寄せ集めのメンバーだったのでその意地悪な氷の先輩とはその後また一緒にフライトすることはありませんでしたが、あの時の半分溶けかかったひと塊の氷をアイスピックでなんとか使える状態にと焦った時のことと、そんな氷を私のカートにセットし、変えてくれと言っても無視した意地悪な先輩の顔は今でもよ~~~く覚えています。

サービスが始まった初っ端からそれ、後ろまでずっと続く満席の客席、隣はさくさく進んでさっさと飲み物のサービスを受けているのに待たされたお客様こそいい迷惑。
狭い通路、座席の頭上すぐのところでアイスピックで氷をガンガン突く音もうるさかっただろうし、さぞかしガサツに見えたことでしょう💦
なんてのろくてどんくさいんだと呆れてたかも💦

私が新人のころ、「スチュワーデス物語」というテレビドラマが放映されていて、堀ちえみさん演じる主人公松本千秋は何をやってもダメなスチュワーデス役。「ドジでノロマな亀」と言う言葉が流行りました。リアル松本千秋になってしまった思い出です。