年末に一気に読んだブックオフでの購入本ですが、どれもそこそこ面白くて、3冊とも面白かったので(1冊はだいぶ前に読んでいてすっかり忘れた本でしたが)追加で買った時にはまた秋吉理香子さんの「婚活中毒」を入れました。
でも、やっぱり海外もののほうが断然面白かったです。
1冊だけ購入した海外の「パリのアパルトマン」これが1番面白かったです。
なので追加分はまた海外モノ中心に。

ブックオフ購入本


ギョーム・ミュッソのものは「ブルックリンの少女」を読んでいてそれがとても面白かったのと「パリのアパルトマン」は2021年の「このミステリーがすごい」の海外部門5位、翻訳第2作ということで選びました。

舞台がパリとニューヨークで街中の描写が細かく読んでいるとその街角に立っているような感覚になります。といってもファッション雑誌等のようなおしゃれな切り取り方ではなくて、最初は土砂降りで交通機関はストライキ中という暗く不機嫌な描写から始まっていて、主人公の2人も個性的。男の方は人間嫌いで常に不機嫌、女の方は刺々しく攻撃的。全然魅力的でないwでも、2人とも訳ありな過去を持つ描写でミステリー小説だと思うと好奇心をそそられる序盤です。

そこから2人がダブルブッキングで借りることとなる今は故人となった画家の魅力的な家、家のそこかしこに残る画家の過去と家族の痕跡、悲惨な事件、主人公2人の(特に男性のほうの)やりきれない過去等がからんできつつ2人で画家の過去と事件を解き明かしていく怒涛の展開、すごく面白かったです。ミステリーとしても面白かったですが、主人公2人の再生の物語でもありストーリー自体がよかったです。そういうタイプの話が好きな(ケイト・モートンとか)私の好みではありますが、5位にランクインしているだけのことはあると思います。

クリスマスまでのたった5日間の物語なんですが、主人公2人と画家の過去と家族と人生がぎゅっと凝縮されたような濃い内容で読み応えありです。

でも、たった5日間だと思うとフランスのシャルル・ド・ゴール空港に降り立つところから始まってスペインのマドリード、そしてニューヨークへと移動するすごいスケジュール(;゚Д゚)そんな中でミステリー事件にかかわって関係ある人たちに会いまくり調べまくるんだからそれってどうなの?という感じではあるんですけど。日本からのパリやニューヨークまでの半日かかる飛行時間と比べたら7時間程度と半分近いにしても、パリとマドリードは日本の国内線のようなものだとしても、5日間と思うとすごい飛び回り方。小説、特にミステリーを読む時はそういう細かいところは気にしないようにしていますが、移動が具体的に実感できると気になっちゃいました。でもそれは小さいこと、とってもおススメです。