GW中、以前読んだ本の続編2冊を読みました。
第一弾は2019年刊行なので3年前。
ラグナル・ヨナソンの「闇という名の娘」。アイスランドが舞台のミステリー小説です。

主人公は定年間近の女性刑事フルダ。64歳。
主人公の刑事の退職までのラスト3日間の物語で、アイスランドの寒々とした描写やフルダのそれまでの人生の何やら暗く訳ありな感じ、64歳女性刑事の話ですから警察(だけに限らないと思うけど)での女性差別がまだ酷かった時代で、ミステリーとしてもストーリーも面白かったけれどかなり暗い話。

さらにラストがとにかく衝撃的で、「この終わり方で3部作の第1作目なのね??」という感想でした。

その続編2冊「喪われた少女」「閉じ込められた女」を続けて読みました。

ラグナル・ヨナソン
「そしてミランダを殺す」も読みました。こちらも面白かったです

1作目のフルダは64歳、2作目「喪われた少女」のフルダは50歳、3作目最後の「閉じ込められた女」のフルダは40歳。

ミステリーとしてアイスランドの奥地の雪に閉ざされた閉塞感が効果的でとても面白かったです。同時にフルダの過去が徐々に明らかになる展開ですが、フルダの運命、先の人生は最初に知っているわけで、そこが逆に知っているからこそ暗澹たる気持ちになるというか・・・
3部作の中で最後の「閉じ込められた女」が1番面白かったです。
過去と現在が交錯するミステリーはケイト・モートンでけっこうはまっていますが、時系列が完全に逆の構成3部作というのもめずらしいと思います。

「そしてミランダを殺す」はいわゆるどんでん返しミステリーだと思います。
読んでいて「え?!ここでこうなる?!」と何度か驚くので。
登場人物が悪いやつばかり(笑)ですが最後まで「どうなるのかなぁ~?」と楽しく読めました。

フルダのシリーズにしても「そしてミランダを殺す」にしても、ミステリーでは心理サスペンスや人間の心の闇に焦点をあてたものなど、そういうのが好みです。
トリックを駆使したものとか拳銃で撃ちまくったり戦いのシーンばかりだったり拷問シーンの描写がやたらと詳しいようなのは苦手。
トリックものはファンが多いと思いますが(密室殺人とか)、すごく面白いからと勧められれば読んだりもしますが、自分からは読まないかな。ミステリーでも読む系統は偏っています。