先週末、認知症の薬を飲むことを3日も勝手にやめてしまい、病院も行かない、薬も飲まないとごねた母。
精神科専門病院の物忘れ外来に連れて行ったときもしぶしぶでしたし、MCIと診断されたときは主治医に「私は長いことこういう役やボランティアをたくさんやってきて、お世話をするほうだったのだ」と、自分がいかにしっかりしているのかということを何度も訴えていました。
母が長年やってきたボランティアは、介護施設でのボランティアです。
60代から80代の30年間にわたり、シーツやリネン類をたたんでしまったりといった介護士さんたちの雑用や補助の仕事で、そのほかにも趣味でやっていたコーラスでは,、ボランティアに通っている施設での公演を定期的に企画し、入居者さんたちの前で歌ってもいました。
また地域の老人会では、様々な教室を企画して開催したり、バス旅行も実施していました。
こちらはボランティアではなく、母が企画者&責任者で予算も講師や旅行社に掛け合ったりしながらの本格的なもの。バス旅行は私が見ても(旅のパンフレットはPCを使っての母の手作り)なかなか魅力的な内容だったし、町内の住宅街の公園がバスの発着所で、都心の駅まで行かずに済むしで、毎回満席の大好評でした。
なんともすごい企画力、行動力で、介護施設でのボランティアなど80代半ばからは、妹と「お母さんより年下の人もたくさんいるんじゃない?」と感心していましたよ。
責任感が強く社交的で親切で世話好きなので、施設関係、地域の会、民生委員関係、役所、
そして趣味のコーラス、シェルティがいた(2代にわたって30年近く)時の犬の散歩仲間、交友関係は広く友人知人の多さにも素直に感心も尊敬もしています。
「お母さんは生まれる時代を間違えたね。今の時代だったら、いやいや、せめて私たちの時代だったら、バリバリ働いていたんだろうね。かなり出世したんじゃない?もともと頭が良い上に勉強大好きだし、向上心、根性、気の強さ(3Kだ)もあるし。」と、妹といつも言っていました。家事が大嫌いでほとんどしないことに、家族としてさんざん苦しめられたきた妹と私ですが、人には向き不向きというものがある、能力がどこにどう発揮できるかは人それぞれ、それはよくわかっていますし、母についても納得しています。
そんな母だからこそ、妹と私が子どもを産んでも「仕事を続けるのはとても良いこと」と応援してくれ、二つ返事で子どもを預かってくれ、とても丁寧に面倒をみてくれたわけです。
そんな母ですから、自分が認知症初期と診断され、介護施設に今度はお世話になる身となってしまったことに、相当に傷つきプライドもズタズタ、気落ちしてやる気もなくなっていることはよくわかります。また、そういうところに友人知人が多いので、その人たちの前で呆けていく自分が恥ずかしいという思いがあるのだと思います。(母は裏表のない人なので、そういうのはまるわかりです)MCIの診断を受けた日は待合室で、自分がボランティアをしてきた介護施設でたくさん見てきた認知症の人たちのことを言っていましたから。自分もそうなるのかとショックを隠せない様子で「私は長生きし過ぎたんだわ」と嘆いていて、かわいそうになりました。
実は母は、病院には行かないとごねた前日までの数日、「気分がすぐれない」と寝込んでいたんです。それについては妹と2人で「昔からこうだったもんね。お母さんの気鬱でしょう」と、さほど心配していませんでした。普通だったら91歳の高齢母が「気分がすぐれない」と寝ていたら「風邪?」「どこか悪い?」と、とても心配するんでしょうが、、、
「昔からこうだった」というのは、母は自分が気に入らないことがあると必ず「体調が悪いの」といって寝ていたからです。(といってもベッドの中で好きな本を読んでいましたが)家の中がどうにも片づけないといけない程度になったときも、「体調が悪い」が出ましたね。そのたび私と妹が掃除していました。
子どもが学校に行きたくない理由があるとお腹が痛いという、それは本当にお腹が痛いわけで嘘ではない。病は気からというのは本当で、ストレスで胃に穴があいたりもするし、人間というものは気持ち次第で体の具合も悪くなるもの。
だから母も本当なのでしょう。本当に何もやる気が出なくて体調が悪くなるんでしょう。
それで2~3日ゴロゴロしていた翌日が、妹と私の前で「病院行かない、薬飲まない」とごねた日なわけです。薬を勝手にやめてしまっていた日数とゴロゴロしていた日数も一致してますし。
なので即「認知症が進んだか!」と思えないのです。徘徊が心配な症状も母の話ですし、徘徊したことを自分で覚えているもの?とも思うし、「だから怖い薬なのよ」とそれを理由に病院通いをやめると私に言う口実のような気もしますし。
今の段階ではまだ呆けていると思える言動のほうが少ないですから、今までの母らしいわがままなのか、判断つかず振りまわされている感が強いです。もちろん、認知症が進んでしまってどうみても認知症だ、大変だ、となるよりはそのほうがいいんですが。
余談ですが、母は私たち姉妹を、何が何でも学校に行かせたんですよ。絶対に休むことを許してくれなかったです。ちょっと体調が悪いと言うと、母はものすごく不機嫌になりました。怖い顔でため息をついたりする母に耐えられず、子どもだった私は「やっぱり大丈夫、行ける」と我慢して学校に行きました。で、やっぱり体調が悪く保健室行きといったこともありました。子どもだった私は母の機嫌を損ねないよう、なおったようにふるまいましたよ。大人になってから聞けば妹も全く同じだったとのこと。ほんと、私たち姉妹には「病は気から!」を別の意味で強制していたんですけどね。
まだもう少し先になりますが、さて、デイケアサービスの初日、母の「今日は体調が悪いの」が出るか?
前途多難、、、