病院にはもう行かないとごねた日は、久々にヒステリックになった母。認知症の症状が出ているせいでもあるでしょうし、薬を勝手に3日間もやめていたこともあり、翌日は心配で朝の8時に母の家に様子を見に行きました。

すると、母の家近くの道で母にバッタリ会いました。
きちんと外出用のかっこうをして、杖をつきながらもしっかり歩いていました。
お天気の良い日は必ず行くようにしているという、昔の犬のお散歩仲間が集まっている公園まで行って来たということでした。

今さっき会ってきたばかりのワンちゃんたちのことを楽しそうに話し、前日と打って変わっていつもどおりの母でした。
一緒に家の中に入り、2時間近くおしゃべりをして、最後は薬の服用を確認して帰ってきましたが、とてもしっかりしていて、ごくごく普通でした。

でも、前日の騒ぎについては、自分が頑なに病院を拒否したり、施設には行かない、1人で死ぬとわめいたことは覚えていませんでした。自分がそんなことを言ったのかと驚いたあと、とてもガックリきていたので、本当に覚えていなかったみたいです。その前後の話は覚えていたのに、興奮したほんの5分ほどのやり取りのところだけスッポリと記憶が抜け落ちているということは、やはりMCIと認知症初期のグレーゾーンのところに今母はいるのだなと思いました。

心底ガックリきた様子で、「こんな病気になってしまうなんて、あなたたちにとんだ迷惑をかけてしまうことになってしまった。本当に悪いと思っている。ごめんなさいね。」と何度も言われ、病気になったのは母が悪いわけでもないのに、自分が覚えていないときの言動を正気の時に気に病み、何度も謝る母がかわいそうでした。

なので、「本当のお母さんじゃないとわかっているから気にしないで」と元気づけましたよ。「その我を忘れているときはヒステリックだった昔のお母さんで、それも本当のお母さんだと思えるわけだし、慣れてるから大丈夫よ」とはさすがに言いませんでしたよ(^^;

認知症と診断され、自分が壊れていくのが怖い、自分は長生きし過ぎてしまったと嘆く母。
それでも、まだしっかりしているときのほうがほとんどなので、昔から変わらずの決断力と行動力で、70代から長年通って来たジムを退会しました。

自宅最寄り駅前にあるスポーツクラブ。
母の場合はジムでできた知り合いのほか、自治会、老人会、民生委員、介護施設でのボランティア、趣味のコーラスグループ、そして犬の散歩仲間、それらの友人知人が、それぞれの関係からたくさん同じスポーツクラブにいます。みんなにとっても自宅近く、最寄り駅のスポーツクラブですから当然ですよね。地域で様々な活動を長年してきた母の場合、自分のご近所の交友関係者がぎゅっと凝縮して集まっている場所とも言えます。

私も妹も長年通っているジムですが、スタジオレッスンにいろいろと出ている私よりも友人知人は多かったと思います。母はプールのみの利用だったので、母が運動している姿は1度も見たことがなかったというのに、ロッカールームやロビーなどで楽しそうにおしゃべりしている母に会うことは多々ありました。
そのたび「コーラスでご一緒のAさんよ」とか「バス旅行には毎回参加してくださっているBさんなの」とか、「一緒に民生委員をしているCさん」とか、、、何人紹介されたことでしょうか。
エアロビクスをやっていた時、同じレッスンに出ている人が母と一緒に介護施設のボランティアをしていると知って驚いたことも。

母の友人知人ということで知り合って、挨拶を交わすようになった人たちもたくさんです。

顔見知りになったあとは、エアロのジム友からは80代後半になってもボランティアをしていることに感心されたり、バス旅行に参加している方からは「お母さまにはいつもお世話になっています。観光も楽しいしお食事もよくて、毎回楽しみにしているのよ。」と感謝されたり、多くの人たちからあながちお世辞ではない感じで言われていました。

妹なんか「お母さまみたいに、いくつになってもボーイフレンドがいて仲良くお話したりできるってうらやましいわ」なんて言われたことまであるそうです。長年の犬の散歩友達や自治会や老人会の会長つながりで、男性の、おじいさんのお友達も多いんですよ、お互い年をとっていって、ジジババになってもお友達で、同じジムで顔を合わせればロビーで仲良く座っておしゃべりしていたり。そんな姿を見て言われたそうです。もちろん、全然変な意味合いはなく、純粋に「この年になるとああいう関係いいなぁと思うの」と言われたそうです。(いやらしい意味合いでそういうことを言う方ではない)その方もですが、30歳も若い妹も私もそんなボーイフレンドいないですもんね。

ブログには悪口ばかり書いてしまっていますが、母には良いところもたくさんあるのですよね。それに、そういう人たちの前でヒステリックになったり居丈高な態度をとるなんてありえない母ですから、ジムでは「素敵なお母さまですね」と言われることばかりでした。

だからこそ、認知症と診断された母にとっては、真っ先に行くのを辞めようと思ったところがジムだったようです。気に入って長年通っていたのに、親しい人達の前でおかしなことをしてしまう自分を想像すると、とても怖いそうです。認知症にならなければ、たとえ90代でも、いくら年をとろうが体が動けば最後まで楽しめたはずの場所、そこをあきらめないといけない母はかわいそうだと思います。

ついこの間まで、頑張り屋の母ですから「歩けなくなったら大変」と真面目に水中ウォーキングに通っていたのに。これからはジムに行っても母の姿を見ることはないんだなと思うと、おしゃれな服装をして来ていた母の姿や、いつも同じ場所のロッカーで水着に着替えていた母を思い出して、ジムに行くと寂しい気分になってしんみりしてしまいます。