トム・ロブ・スミスの3部作、最後の「エージェント6」の上下巻を図書館で借りて読みすべて読み終わりました。

エージェント6

主人公が子どものころから始まり、最後はたぶん還暦間近?50年以上の大河ドラマといえば大河ドラマ。こういう時代をまたいだ小説は大好きで、それがミステリーでもあるのでとても好きなタイプの本、3部作ともとても面白かったんですが・・・

読後感は・・・精神的に疲れました。主人公に感情移入すればするほど疲れる。

時代と場所がどんどん変わり、ウクライナ飢餓ホロモドール、ソ連スターリンの粛清時代、フルシチョフのスターリン批判時代、強制収容所、米ソ冷戦時代、ニューヨーク、そしてアフガニスタン侵攻・・・
主人公レオはロシア秘密警察(KGBの前身)の特権階級からフルシチョフ時代に一転、強制収容所、アメリカ、アフガニスタン、と人生がその時々の国家の体制に翻弄されて過酷過ぎ。地位だけでなく友人や愛する人など失うものの多さといったら・・・読んでて疲れた~~~

面白くて先が知りたく一気に読めるんですが、それでも並みの神経だったらやっていけなさそうな国家の体制。お話ですけど、その時代に実際あったこと、その時々の国の体制、その下での国民の生活はどのようなものだったかは多少誇張であったとしても、一応事実に則したものであるわけだし。恐怖と閉塞感と緊張感で疲れる・・

ミステリー要素としては、私は1番最初の「チャイルド44」が1番面白かったです。

ケイト・モートンの切ないけれど読後感はあたたかな気持ちになるミステリーばかり読んでいたあとだったのでよけいにやりきれない気持ちになったのかも。(どちらも物語の核は家族愛なんですけどね)
実際、ああいう国の体制下で様々行われていたことは事実だからご都合良くみんなハッピーエンドみたいにまとめられるわけはないのはよくわかりますケド。レオは主人公なんですけどぉ?こんな人生あり~?当たり前ですが主人公目線で読むし感情移入もするから一緒にボロボロ(気分だけ)です。

かなり高評価なレビューどおり、3部作とも大変面白く読める本であることは確かです。