すごいタイトルだと思いましたし、そもそもタイトルでミステリー要素としての最初の「謎」はそれほどの「謎」でもなくすぐにわかるのですが、ミステリーとしてではなく介護や家族の気持ち、ヤングケアラーの問題など考えさせられる小説でした。

『恍惚の人』から半世紀。現役医師作家による衝撃のメディカル・サスペンス!

高齢者だけが身を寄せ合って暮らす山間の村。そこは楽園か、遺棄の地か。

夫の暴力から逃れ、幼い娘を連れて家を出た主婦・明日香。
迷い込んだ山奥の村で暮らし始めた明日香は、一見平和な村に隠された大きな秘密に気付き始める。
住民はどこから? 村の目的は?

老老介護、ヤングケアラー、介護破綻……世界一の認知症大国、日本。
人生を否定される患者。生活を破壊される家族。
認知症の「いま」に斬り込む衝撃作!

内容紹介(出版社より)

妹のおすすめで図書館で借りた本です。
妹は何冊か読んでいるそうで、著者は現役医師です。プロフィールを見ると1961年生まれなので私と同い年です。スイスに転居してスイス医療福祉互助会顧問医などを務め、帰国後、都内の高齢者向け病院に内科医として勤務するかたわら作家デビューとのこと。現役医師だけあってミステリーであっても医療のことや問題なども現実に即した切り込みで突拍子もないと感じさせない展開でしたし、海外でのアルツハイマー患者の対応についても興味深かったです。

ちなみに、私はミステリーを読み過ぎているせいか、最後のミステリー要素、どんでん返しと言えるのか?そこのところも最初から「これはこうなんだろうな」と思って読んでいたのがそのままでした。それでもいつものどんでん返しを楽しみに読むといった感じではなく、考えさせられる話として読み進めました。

他の著作も読んでみたくなる作家さんでした。おすすめです。