八月の母

八月の母(早見和真)

読んでいてつらい。重いテーマの本でした。

八月の母

図書館で借りた本ですが、3代にわたって描かれる母と娘の確執、因縁、共依存、歪んだ愛と母性のお話。もうこれだけで重すぎるテーマ。さらに後半、実際に起こった非常に凄惨な事件が、リアルにそのまま盛り込まれているので読んでいてつらい。精神的に弱っている時には読めない小説だと思います。母と娘の関係、私も娘でもあり、娘がいる母でもあるので希望の持てるラストだとはいえ断ち切れない肉親の関係、負の連鎖に暗澹たる気分になるお話でした。

プエルトリコ行き477便

プエルトリコ行き477便(ジュリー・クラーク)

プエルトリコ行477便

こちらはブックオフで購入。とっても面白いミステリーでした。夫のDVから失踪という形で逃げようとする女性と、自分の意思ではあるものの犯罪に手を染めてしまいそこから抜け出すため失踪という形で人生をやり直そうとする女性。2人の人生が1人はリアルタイムで、もう1人は過去形で描かれて進むストーリーです。現在と過去で描かれる心理的に追い詰められた女性2人の人生が、失踪を軸として交錯するとても面白い構成のミステリーでした。おススメです。