自己啓発セミナーの体験談・1

35年ほども前のことで、たくさんのプログラムをこなしたはずなのにそのほとんどを覚えていない中、初っ端違和感を覚えた「ファッショの件」のほかよく覚えていることがもう1つ。

会場を自由に歩き回って、正面から向かいあった人にその人について思ったままを正直に言うというプログラム。
見知らぬ人ばかり大勢の中でいきなり話かけ、話しかけられるんです。大勢が縦横無尽に歩きまわって混雑しているのですぐに誰かしらと向き合うことに・・・
そうしたら必ず何かその人についての感想を言わないといけない。
しかもすぐに言わないといけない。
パッと見て思ったことをそのまま言えと。

でも・・・・
知らない人で性格なんて知らないからパッと見て思ったとなると見た目、100%外見の感想になると思うけど・・・と、戸惑いましたが始まってしまったらやるしかない。
さすがに否定的な印象は言えないから、雰囲気がどうこうとか良い印象での感想を必死でひねり出して言ってました。

正直に思ったまま感想を言ったほうがいいプログラムだからそれじゃダメなんでしょうが、できませんでした💦
じゃあ、私以外の周りの人はちゃんとやってたのか?というと、少なくとも私に感想を言ってくれた人たちは誰もちゃんとやっていませんでした。だって失礼なこととかムカつくこととか否定的な感想言う人なんて1人もいませんでしたから。それって相手も必死で失礼ないように考えて何かしらひねり出していたってことですよね。
だから「思ったままと言ってもなかなかそのままは言えないな~」と思いました。

内なる自分を解放してどうこうって、内なる自分、本音で思ったまま言えるようになれってこと??それを実生活の場でもしたら人間関係無駄に悪くしそうだし・・いやそんな非現実的な目的じゃなくて、単純にいかに自分が本音を抑え込んでいるか知れということ?そんなのもうイヤというほうど知ってるけど。
それとも初対面の人に会ったどんな場面でも相手の印象の中の良いところを瞬時に見つけそれを伝えることができるようになる訓練か?・・・

などとお金払って参加したセミナーなのでその時はそれなりにいろいろ考えてしまいました。

でも、ホントに正直に思ったままを言ってくれるなら聞いてみたい気もするからなかなか面白い試みではあったと思っています。
他人から見た自分のパッと見の印象、本音を聞ける機会なんてまずないですもんね。
私はその時「ファッショのお兄さん、どこにいる?」と、彼だったらなんと言うかな?と一応探しましたもん(笑)

そして、ファッショのお兄さんを探してきょろきょろしたとき気づきました。
会場の端っこのほうであまり動かずにいる人たちがいる!
その手があったか~~と思いました。
何も考えずに真ん中の混雑しているとこでうろついたばかりに十数人の人たちと意味のないお世辞を繰り返す羽目になってしまった私でした。

多くの人に外見的な印象で否定的なことばかり言われ続けたとしたら、コンプレックスを長いこと引きずることになりそうだし、誰もそんなことしないから(した人いたかもですが)そこそこ良い印象を大勢の他人から次々言われて嬉しい気分になる⇒高揚した気分に持って行くというそれまでのセミナーの持っていき方と合ってる気はしますが、どういう意図でのプログラムだったのかは未だによくわかりません。

自己啓発セミナーは、ハマれるかハマれないか、人によって2つにハッキリ分かれるんじゃないかと思います。号泣している人と居心地悪そうに反応薄い人、グループワークで抱き合って泣いてるグループと静かに無難に終えるグループ、本当に反応が両極端だと思いました。
ハマれた人はその後も高揚感を維持できたり、気づいた自分の内面からより良い人生を開いていけたんでしょうか?ハマれた人のその後が知りたい気がします。