映画を観に行って予告編を観てどうしても原作を読みたくなった本です。

ザリガニの鳴くところ

単行本はめったなことでは買わなくなりましたが、文庫化はまだだしこのソフトカバーの単行本しかないので仕方なく、でしたが、ずっと取っておきたい本になりましたので買ってよかったです。

とても読み応えある内容でしたが、読むのが止まらず1日で読み終えてしまいました。
もったいないからゆっくり読もうと思っても面白くてどんどん読んでしまった💦

ジャンルはミステリーですが、主人公の少女の壮絶なまでの孤独感が苦しい。境遇、その他の要素が濃くてずっしりきます。虐待と家族の離散、不当に差別される貧困家庭、1960年代の黒人への差別など根の深い問題と孤独感に読んでいて苦しくなる内容が続くのですが、自然や動植物の生態を知り尽くしてたくましく生きる少女と湿地帯の自然描写、そこに生息する鳥や水辺の生物の描写が読みごたえがあって魅力的、それでどんどん読み進めていけました。この広大な大自然の雰囲気を映像で観たいなと思う気持ちにもなりました。映画の予告編を観た時は「ミステリーのジャンルは別に大画面の映画館で観なくてもいいや」と思ったんですけどね。

ミステリーとしても、映画や本の紹介で衝撃、驚愕などと書かれるのも納得です。
衝撃のラスト・・・ですが、すごく分かり易い伏線があって犯人はわかりました。そうなんだろうなと。ただ「本当に???」という思いで読み進む感じ。で、ラストは・・・驚きといえば確かにそうです。さらに自然界の摂理、生物、生態系、生存本能、そこまで大きなことがからんできて考えさせられる、読後感は良いのです。とてもおススメです。

著者のディーリア・オーエンズは動物学者で論文はネイチャーに掲載されていたりフィールドワークのノンフィクションが賞をとっていたりとかなり功績のある人でありながら、このミステリー小説を69歳で書いたというのが驚きです。

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映画も面白いんじゃないでしょうか。そう思わせてくれる原作でした。