マルチ商法の場で凍りついた話・1

先輩パーサーと親1,親2さんが化粧品の良さを熱心に語るランチ会という名の説明会。

最後のデザートというころ、全員買うのが当然のようにパーサーに注文書に欲しいものを記入してねと言われて、4人とも「何か無難にお安いものはないか?」とカタログと価格表首っ引き。
だって、お値段が・・・すっごく高いっ!!高~~~い!!

私は基礎化粧品はなるべく使わないようにしていたから、とにかく洗顔石鹸か洗顔料、それに化粧水をお付き合いで1回買えばいいかと思って行ったのですが、石鹸が5000円近いお値段(忘れたけど、そのくらいだった)、洗顔料だと5000円超・・・
化粧水なんて1万円超・・・

洗顔料と化粧水をお付き合いで買うことにしましたが、高いわ~~~💦
化粧水のお値段が可愛いもんだと思えるクリームや美容液の数万円という金額が並ぶ価格表の後半は見る気もなし。

価格表を見ながら内心思ったことは4人とも同じだったようで、
注文書には化粧水などを1品、私と同じく洗顔料と化粧水、化粧水と乳液のセットとがんばった先輩もいましたが、カタログに品数は多くともみなその程度の申し込み。(その程度と言っても1番安い人でも1万円超、高い人はトータル3万超なんだけど)

そうしたら突然、親1の女性がすごく怒り始めたんです!

セリフ自体はもううろ覚えですが、「どうしてちゃんとフルラインでの購入をしないのか」というような内容のことをきつい口調で不愉快そうな顔で怒りまくり、
パーサーへも「ちゃんと説明したのか?」「こいつらの買い方はいったいなんだ!」(こんな言い方ではなく丁寧、だけにむしろ怖い)といったような意味のことを言っていて、顔もすごく怖い。

まさかそんな露骨に怒るとは思いもよらず4人ともビックリ。
その場がし~~~んと凍りついてしまいました。

パーサーが謝りながら「少しずつ使っていってもらえば良いかと全部の説明はしていなかった」「まずは試してもらって次回ラインでの購入を勧めるつもり」という感じの説明をしましたが・・・私たちはそんな説明受けてないし。

「みんなでキレイになれたら幸せじゃない?とにかく本当に良いものだから説明だけでも聞いて」と言われて断り切れなくて来ているわけで、本当に「言われたとおり説明だけで」帰るのもありだと思うけど、さすがにそれをした人はいなかったんですけど。

親1さんがパーサーに言った「ちゃんと説明したの?」という怒りって、「ちゃんとマルチの仕組みを理解させて私の配下につくよう説得してさらに下を増やすよう説明しておきなさい。そしてまずは1番下の階層のあなたたちは全品の自己購入からということもちゃんと言い含んでおくこと!」みたいな説明ってこと??
確かにパーサーの「とりあえず説明会に来てみて。とても良い商品だからみんなでキレイになろうよ!」なんていうのは生ぬるいしちゃんとした説明にはなってないけれど。
その「ちゃんとした説明」をしてくれていたらもっとハッキリ断れたんだけどね!

親1親2さんは4人全員フルセットでの購入(10万以上~高級ラインのだと20万以上)を想定していて、がっぽり儲かるつもりでいたんでしょう。
だから化粧水1本だけとかの注文書見て逆上しちゃったんでしょうか。

それにしても怒られる筋合いはないし、怒られても逆効果。
切れて脅したら「じゃあ、フルセット買います!」となった成功体験でもあったんでしょうか。
でも私たちはそれで震えあがって「じゃあ全部買います」なんて言うほどお人よしでも初々しくもない。
パーサーに話を合わせて「フルセットで買って肌に合わなかったから全部返品ということはしたくないのでとりあえず洗顔料とか化粧水だけから始めてみたいと思いますので」
「使ってみて良かったら次回はこのセットを注文してみたいと思います。(嘘八百)」
と、口々に無難に言い訳をして最初に記入したものの購入だけで帰ってきました。
親1さんたちがそのあとどのくらい怒り狂おうが申し訳ないけどパーサーに対応してもらうしかない。

それに、ランチ代金はみんなそれぞれ自分の分を説明会の会費みたいな名目でパーサーに渡していたんですよ。(ま、たしか1000円程度で安かったけど)
なんか私たち4人、本当にバカみたいじゃないでしょうか。

この後どうなったかというと、
パーサーはいつも通り。
仕事の時の態度は何も変わらず。もちろん私たちも。
4人のうち3人は説明会での1回の購入で終わりました。

パーサーと1番親しくしていた先輩のAPさんがその後もライン使いで勧められたり、仕事前に目の前で「おススメはこれ」とか言いながら注文書にどんどん書かれて何度か購入した、ということを本人から聞きました。

グループが変わるまでは化粧水とか乳液くらいを時々買うけど、グループが変わったらもうパーサーとは付き合わない、化粧品の購入もやめると言っていましたけど、年齢も入社時期も残り3人よりずっとパーサーに近い人でかなり親しくしていただけに大変そうでした。

仕事の時、ステイ先では化粧品の話は出ず今までどおり過ごし、その数年後私は仕事自体を辞めましたが、残っている人たちもグループを異動したあとまで親しく付き合った人はいなかったようです。
私も他の3人とは辞めたあとかなり長く年賀状の付き合いはしていましたが、パーサーとはしませんでした。

宗教の勧誘の時にも思いましたが、新興宗教とかマルチ商法に知り合い、親しくしている友人を誘える人って鋼の心臓だなと妙な感心をしてしまいます。
それをしたら絶対絶対相手からは嫌われる、警戒される、今までの付き合いは、私という人間はあなたにとってどういう位置づけの人だったの??と思われる、そういう心配はしないのか??今までの良好な人間関係を壊してまでそれをするというのが理解できないです。

それを壊してまでお金が必要ななんらかの事情がある、ということなのだと思いますが・・

両方体験して思ったのは宗教のほうが心根的にはマシじゃないかということ。
(勧誘がノルマとなっていて半ば脅されている感でやらされている場合は除きますが)
私はこれで幸せだからあなたもぜひ!という気持ちが少しはあるからなのでしょうから。
でもマルチ商法の場合は100%自分が儲けたいからですもんね。

宗教の場合は勧誘されたら非常に迷惑だし、幸せになれるからなんて言われても有難迷惑なだけだし、熱心さが怖かったりするけど、誘われたこと自体に傷つくことはないです。
でもマルチ商法の場合は自分をカモにしようとしているんだな、そういう位置づけとして思われてるんだなと、親しくしていたらしていただけ誘われたこと自体に傷つきます。

「いやだわ~~~私をカモにするつもり?私ってあなたにとっては友人じゃなくてそういうことをしても良い存在ってことね!」とハッキリ言えたらどんなにかスッキリするでしょう。
当時はもちろん言えませんでしたし、当時よりずっと図太くなって人間関係も最小でいいと思っている今でさえさすがに面と向かってここまでストレートには言える自信はないですね💦

まぁ、もし言えたとしても「そうよ、あなたはカモよ」なんて絶対言うわけなく「本当に良い商品だから勧めているのよ」と言い張るのが100%でしょうが。
それにそんなこと言って怒らせ逆切れされて言い合いになるなんて修羅場絶対ゴメンですからやはり図太くなった今でも言わないでしょう。