面白いミステリーでした!
「シェトランド4重奏」の第一弾、「大鴉の啼く冬」
すぐに続きを読みたくなり(1話完結のミステリーですが)第2作目「白夜に惑う夏」も買いました。

シェトランドカルテット

シェトランド諸島、名前はもちろん知っていましたし、私にとってはなにより、可愛い子たちの故郷、とっても馴染みがあるような印象の場所です。
初代と2代、ずっと家族だったワンコがシェットランドシープドッグ。彼らの故郷。
暑い夏にバテていれば「寒いシェトランド島出身だから日本の蒸し暑さには弱いよね~」のんびり無防備な寝相で昼寝をしていれば「のんきだね~~お仲間は今頃羊を追いかけてお仕事しているよ」などとよく故郷を引き合いにした会話をしたりもしていました。

ワンちゃんが家族な人たちはみんな同じ、自分のワンちゃんの犬種が世界で1番可愛い(笑)
だから私はシェトランドシープドッグが世界で1番可愛い犬なのです。でも、ワンコは寿命が短くて悲しい。喪失感は一生克服できそうもない。

私の場合は何をおいてもシェルティですが、シェトランド島といって思い浮かべるのは多くの人は手の込んだフェアアイルニットではないでしょうか。私も見るとすごく欲しくなるニットです。特に編み物をしていた時期は凝った柄と色合いを眺めているだけで楽しかったです。(私が編んだものをというのではないですよ、もちろんw編み物の本やニットの本の作品の写真で、です)でも、シェトランドというイギリス本土から遠く離れた場所にあえて移住してくる人たちのことを「地元に溶け込もうと努力するあまり、糸紡ぎを習ったり地元の音楽を奏でたり方言をしゃべろうとしたりして滑稽になっているものもいた」と表現されていて、その人たちは「フェアアイルのカーディガンを着て町のカフェにたむろしている」と・・・うむ、なかなかに辛辣(笑)

なので、シェトランドという名前自体には馴染があるような気がしていましたが、実は何も知りませんでした。イギリス、さらにスコットランドの北にある島々と言うことは知っていたつもりでもそこまでの僻地とは・・・スコットランドからもノルウェーからもフェリーで14時間かかる最果ての地と。緯度的にはアンカレッジと同じとのことで、とてもよくイメージできました。アンカレッジは昔数えきれないほど行き過ごした場所です。流氷、夏の白夜、懐かしい・・・けど、そりゃ寒いわ!

解説にミステリーの定番ネタである「閉じられた社会の中での事件」(クローズド・サークル)とありましたが、日本のミステリーだと田舎の過疎の村で起こる事件=おどろおどろしいイメージでミステリーというよりホラーに寄り勝ちですが・・💦

シェトランド諸島の僻地感はおどろおどろしいイメージは全くなく乾いた寂しい印象でした。登場人物4人の視点で成り立つ構成で、それぞれに僻地での暮らし、狭い社会の閉塞感や孤独感がひしひしと伝わり物語としても面白かったです。

やっぱりそこにのんびりした羊の群れとお仕事する可愛いシェルティが目に浮かぶ私はそれでだいぶ明るいイメージに・・可愛い印象の威力は何年たとうが衰えずすごいのでした(笑)

望月諒子さんの「蟻の棲み家」も読み終わりました。
やはり何冊も読んだことのある作家さんでした。これが東野圭吾さんの「白夜」を引き合いに出されていたのがわかりました。同じ系統のお話だと思います。最近若い人たちの間で言われているという言葉「親ガチャ」なんだかすごい言葉だなと思いましたが、現実それはかなり大きい問題でしょう。子どもという身分では自力でそこから這いあがるのは不可能に近い。犯人の予想は最初から簡単につくのですがそれでも「どんでん返し」という意味合いも合っていると思いました。