60歳になったからというわけではなく、50代になったころから広くて浅い付き合いはもういいと思えるようになりました。

といっても、そのころ専業主婦になっていて広い付き合いというものはなくなっていたのですが・・・だからこそ数少ない機会であっても億劫になってきたというのもあるかも。

そして自分では「楽しい」と思い込んでいたものが実はそんなに楽しくなかったと気づいたことがあり・・
CAとして働いていた時の同期の集まりです。

私がCAになった当時、1980年代初めは結婚しても、子どもを産んだあとも仕事に復帰する女性も普通にいる時代だったとはいえ、まだまだ結婚したら退職する女性も多かった過渡期でした。私の同期は結婚して退職した人のほうが多かったです。
私のように結婚しても子どもを産んだあとも仕事に復帰したほうが少数派。
退職してしまうと懐かしいという気持ちが大きいのか、30代からけっこう何度も同期会というものをやっていてほとんどの同期が集まっていました。
私も30代半ばで退職したので30代後半~40代は開かれればせっせとマメに出席していました。行けば懐かしい話で盛り上がって楽しかったことは楽しかったんです。

特殊な環境で一緒だったということが結びつきを強くして、仲間意識が特別強い時期が長かったことが大きかったと思います。

同じ時期に採用されたものたちが20人ずつ同期として1クラスとなり、クラスごとに専門訓練を受けました。
専門訓練に入る前には地上訓練までありました。CAという特殊な職業ゆえ?同じ会社の中の他の部門の仕事を知っておくためとのことで(たぶん)地上職の各部門で訓練生としてその仕事をしました。地上訓練と専門訓練と合わせると半年以上になりましたから、そこでかなり仲良くなります。(若い女性同士ですから学校の同じクラスみたいな感覚でした)

そして、さらに、いよいよCAとしてフライトに出ると・・・
同期どうし一緒のフライトなどはほとんどなく、新人として1人、先輩たちと一緒に何泊も泊まり歩くという特殊な仕事。憧れてなったはずのCAという仕事も慣れないうちは失敗も多いし、さらに、先輩たちの怖かったことよ(笑)
いや、本当に怖かったんですよね~~~あの時代の先輩方は。
優しい素敵な先輩も多かったんですが、一握りの震えあがるように怖い先輩、これがまたすごくてね💦同期のみんなもそこは意見は一致。どんなグループに配属されようが1人2人はもんのすごく怖い先輩と一緒になり、そういう苦労はみな公平に経験しました。だからステイ先のホテルで同期と一緒になるとどちらかの部屋に行って愚痴をこぼし合ったりもし、ほんとに同期は特別!という感覚が長かったんです。

でも、20人全部がそういうわけではない・・・
よく考えてみたら当たり前のことで学生時代だってクラス全員の女子と仲良し、全員価値観一緒、なんてありえなかったですもんね。

ということで「全員仲良しは錯覚」と気づかずせっせと出席した同期会。
席はくじ引きで、といったときなどたまたま両隣とも実は価値観が合わないなぁ~と思っている人たちであまり楽しくなかったり。

同じ時期に採用でも1期は20人、別の期(セミ同期)になってあまり接点はなかった人もいるセミ同期も一緒に開催なんてときは、久しぶりにあって近況報告を聞いたところで会話もたいして盛り上がらなかったり。

さりげないマウントもね(笑)当然ありよ(´-`)

私は同期の中の1人に大親友と言える存在の人がいて、彼女とは同期会に行かなくとも、定期的にお茶したりランチしたり家に行き来したりして会っていたんですが、たまたま話しているときに彼女もやはり同期会があまり楽しくないと思っているという話になり・・・

2人して、「2人で会っていればいいんでないの?!」と気づいたというわけです。

そう、日頃は付き合いのない人たち、実はさほど仲良くもない人たち、価値観が実は合わないなぁと思っている人たち、そういう人たちとの大勢での集まりに参加する必要性を50代の今ほとんど感じない、2人でそう気づいたんですよね。遅ればせながら。
そして2人で「楽しいと思えない自分は変わりものではない。いや、変わりものでもいいじゃないか。たいして楽しくない付き合いならしなくていいよね」と確認し合ったのでした。

バブル時代に20代だったから?友達は多いほうが、交友関係は広いほうが人として上、そういう風に思われるんだろうな、と、そんな感覚。どうしてもありましたね。
でも、私は広く浅い人間関係はいらない、と心の底でずっと思ってきたし派手な交友関係もどんちゃん騒ぎも苦手、どころか大嫌いw
でも、それじゃ暗いやつと思われるんだろうなという思いがずっとありました。
親友の彼女もまったく同じでした。だからこそ親友になったんですね(笑)

50代でだんだんと同期会からは遠のきそのままコロナで自然とフェードアウト。
60歳の今、付き合いがあるのは、近況をお互い知っているのは親友の彼女だけです。
とても楽だしこれで良いんだと実感しています。