流浪の月(凪良ゆう)

偶然ですが、本屋大賞翻訳部門1位の「カササギ殺人事件」を読み始めた時に、妹がブックオフで買った本を「面白かったからおススメ」と貸してくれました。こちらは2020年の本屋大賞でした。

流浪の月

世のタブーや犯罪に対して多くの人が持つのが普通である感情。加害者への反感、嫌悪感、被害者への気遣い、善意、同情、そこに悪意だけがあろうはずはなく、けれどそれらは当事者たちの真実を理解した上のことではなく・・・全編このもどかしさ、事件の被害者と加害者とされた主人公2人の心の痛みがひしひしと伝わり、切ない思いで読みました。

あふれる情報に振り回されず「当事者にしかわからないこと」と達観できれば理想。
それができないのが人間、自分の身の回りでことが起これば自分もきっとそう。現実的には当事者以外がそこまで踏み込んで真実を知れるわけもなく、とても難しい。そこがまた切ないのですが、それでもラストは悪い読後感ではありません。読んでいる間中、心が痛む話ではありますが、同時に肉親の愛情とか恋愛とか、そういうものを超えた揺るぎない信頼、やすらかな人間関係に悲しいだけではなく心が温かくもなるお話でした。

今回の余談(笑)
その1:小説の中に重要な小道具(?)として出てくる映画「トゥルーロマンス」
公開時(調べたら1994年でした)主人と一緒に観ました。
本来私はヒジョーに苦手とするタイプの映画でした。いかれたカップル、全編これ暴力、凄まじい暴力、いや、タイトルにもあるロマンスもあったろうと突っ込み入りそうですが、私の印象はそれ。女だろうが手加減なしに叩きのめされるんですよね。当時は「うわぁ~~・・💦」って感じで観たんですが、なぜかその後も記憶に残り、様々なシーンを覚えていました。もちろんラスト、オチもよく覚えている映画です。本なら読む端から、映画なら観る端から忘れている今の私にしてはめずらしく。なので今回本の中で映画のシーンが何度も登場しましたが、それをすべて、古い記憶の中の映像でありながら、とてもハッキリとした映像で結びつけることができました。ビックリ。そして、主人公が心惹かれる場面、そこが私は観た当時はそんな感想は持たなかったわけですが、1番よく覚えているシーンでもあり、ビックリでした。私は実はこの映画、お気に入り??(笑)

その2:主演のクリスチャン・スレーターとパトリシア・アークェットのあのシーン、このシーン、あの表情、あの演技、といろいろ実によく覚えています。ところがです、出演者の中になんとブラッド・ピットがいるじゃないですか~~?!覚えていないぞwなぜブラピを覚えていないのでしょうか~~不思議です。ま、私は特にブラピのファンではないのですが、そのせい??でもでも、ゲイリー・オールドマンも出ているじゃないですか、私昔からファンなんです。でも覚えていない~~~ナゼ??

3月2回目の花

3月2回目のお花が届きました。

3月2回目の花
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