この著者の他の作品もぜひ読みたい‼(※未知の国)と心から思ったその他の作品です。
ユーディト・W・タシュラー「国語教師」
2019年出版で、先に読んだ「誕生日パーティー」は2021年。「国語教師」のほうが先でドイツ推理作家協会賞を受賞、国内でも「このミス」にランクインした作品です。
先に読んだ「誕生日パーティー」もとても読み応えのある引きこまれる物語で、ミステリーであることを忘れるほどでしたが「国語教師」も同じです。
16年前恋人同士だった男女が、偶然再会する機会を得る。再会の前にメールで何度も昔の恋人同士だったころの思い出話とお互いの近況をやり取りをする。
再会時の2人の会話と再会前の2人のメールのやり取りの文面を交互に交えながら、16年前と今とを行きつ戻りつし、会話とメールの文面に??となる謎をじわじわとからめつつ話が進みます。
「誕生日パーティー」が最後までミステリーだということも忘れて物語に没頭したのとは違い「国語教師」のほうは途中から会話や文面のちょっとした引っ掛かりや、これはもしやゾッとする展開か⁈と思ったりとミステリー要素は強いです。最後の最後、男女ともに明かされる謎、謎解きもよかったです。
でもやはり、物語性が強くて、そちらのほうで引き込まれる小説でした。
国語教師の女性の作家の男性への行動に感動しました。
ミステリーとしても小説としてもとてもおすすめです。
もっとこの作者の本が読みたいです!
・『このミステリーがすごい!2020年版』海外編(宝島社)第10位
・「 ミステリが読みたい! 2020年版」( ミステリマガジン /早川書房)海外篇 第4位&新人賞 受賞
・ ドイツ推理作家協会賞受賞作女は国語教師。男は有名作家。
再会したふたりが紡ぐ〈物語〉は、あの忌まわしい過去に辿り着く――16年ぶりに偶然再会した元恋人たちは、かつてのように物語を創作して披露し合う。
内容紹介(出版社より)
作家のクサヴァーは、自らの祖父をモデルにした一代記を語った。
国語教師のマティルダは、若い男を軟禁する女の話を語った。
しかしこの戯れが、あの暗い過去の事件へとふたりをいざなってゆく……。
物語に魅了された彼らの人生を問う、フリードリヒ・グラウザー賞(ドイツ推理作家協会賞)受賞作。