家で昔のGWを懐かしく思い出す、混雑とは無縁の還暦過ぎのGWです。
仕事していた時は、世間の人たちがGWだ、夏休みだ、年末年始だ、休みだー!という時はすべて書き入れ時、最も激務の時でした。(前にも少し書いていました。年末年始のない職業)
GWやお盆、年末年始での激混みの思い出では、国際線では繁忙期にはオールエコノミーのチャーター便が出ていたホノルル便がなんといっても「混んでいたなぁ~」と思い出す路線ですが、それよりもっと強烈に記憶に残っているのは国内線です。
新幹線の乗車率150%などという、座席に座れなくても乗れる乗り物と違って飛行機の場合は立ったままなどということはありえないので、満席といえばどれも同じ、と思いますが繁忙期は様相が違いました。
ご家族連れ、3歳未満のお子さんを連れているご家族、その比率が上がるにつれ「激混みの印象」がすごくてサービスをするこちらもやってもやっても終わらないフライトでした。
普通の日であれば乗客のほとんどがビジネスマンで占められていた羽田/大阪(伊丹)便などではそのほとんどが満席といっても座席に1人ずつ。私が乗務していた1980年代~1990年代半ばまでは乗務便のほとんどがジャンボと言われたボーイング747。ファーストやビジネスのある国際線でもジャンボ機は大きく広くそれが満席だとギッシリな光景でしたが、80年代後半国内線にもスーパーシートができるまでは、オールエコノミーの国内線の場合は座席数約560。たまに飛んだDC10でも300席。
500以上の席が全部満席って壮観でした。それが1人ずつでも。
これが、GWや夏休みともなれば、座席が2人ずつになったんですよねーー
3歳未満はお膝に抱っこで無料。(今もですよね?)「2歳のお子さんを抱っこしたパパ&赤ちゃんを抱っこしたママ」の組み合わせも多かったです。そうなると2席に4人。
普通の日にそういうご家族連れがチラホラ混じっているだけならなんということもないけれど、GWや夏休みでその組み合わせ率がググ~~ッと上がった機内の光景はすごかったです。それこそ乗車率150%。そして、3歳を過ぎているであろうお子さんを抱っこしているご家族連れもいたのかも?どう確認していたか正確ではありませんが、当時は搭乗に当ってお子さんの年齢は自己申告だったと思います。機内にはものすごく発達の良い2歳児もいらっしゃいましたよ( ;∀;)本当にものすごく発達の良い2歳児がたまたま何組も乗り合わせたのかもですが。
その乗車率150%のような機内でサービスが始まるとこれがまたいつもとは全く違った光景が繰り広げられました。とにかく座席が狭い!狭い狭い!いくら2歳児や赤ちゃんだといっても1人で座っていても狭いのに膝の上にお子さんではテーブルなんて出せるはずもなく、両親は飲み物を受けとっても置くところもなし。お膝の上のお子さんにもリンゴジュースをサービスしますから、パパとママが交代で飲めるように時間差でサービスしたりもしたのでカートは行きつ戻りつ。それに加えて、ラバトリー(トイレ)問題。機体前方、真ん中、後方の3か所にあるラバトリー、飲み物サービスが始まってからお手洗いに行く人が通路を来るとカートを戻すか進めるかしてお客様を通さないといけないんですが、繁忙期のお子さま連れの多い時期はその頻度も爆上がり。ただでさえ通常の2倍近い数の飲み物サービス、テーブルを出せない人へ気を遣うことで時間がかかっているのに加えて何度もカートを戻したりでさらに時間がかかりました。
で、通常よりずっと時間がかかって飲み物サービスが終了するや否や、今度はお子様には機内搭載のオモチャを配るサービスが。1時間弱で着いてしまう羽田大阪線などもう、着陸寸前までオモチャを配っていたこともありました。なので、羽田大阪線では繁忙期はお子様へのオモチャは搭乗して離陸するまでの間に配ってしまうことが多かったです。でもそれも、搭乗時ってお子様連れのお客様は機内持ち込みの荷物も多いんですよね、赤ちゃんやお子さん用のどうしても持ち込みたい荷物があるので当たり前ですが。自分の席に着いたあと離陸するまでの間、荷物の整理で忙しいであろうご両親、まだ乗ってきたばかりで機嫌も悪くなく泣いているでもないお子さん、そんな時に「どうぞ~お子さんへのオモチャです。ぼく、どれがいいかな~?」なんて言われても「いや、ちょっと待ってよ、今忙しいのよ。それにどうせならあとで子どもが飽きてぐずり始めた時に持ってきてくれないかなぁ~?」なんて思っていたご両親も多かったのでは?と思います。今思い出しても申し訳ない( ;∀;)
10年以上もジャンボ機ばかり毎日のように乗っていたので、退職してから何年たっても今飛行機に乗るとその小ささと狭さにビックリします。でも、今は国内線であってもビジネスクラスやJクラスというのもできたし、お子さん連れにとっては少しは快適度が増したかなと思います。機内のサービスもおしぼりは紙製のものを配るだけなのを始め簡素化されていますし。
すごい光景ではありましたが、今となればとても懐かしい、もう2度と見られないであろう光景です。
余談ですが、同じご家族でも3歳以上のお子さんが複数人のご家族連れ。こちらの率が上がると激混みの機内にゆとり感がありました。お子さんが小さいので座席を見た時のスカスカ感とか、後ろから満席の機内を見渡した時、お子さんの席が頭が出てないため空席に見えるから。程よい抜け感でした(笑)