小説で料理のこまごました描写を読むと同じものを作りたくなるので、食い意地がはっているというのも1人だけの生活でついついだらける時には良いことだ(笑)

柴田よしきの時代小説、「お勝手のあん」が面白くて一気読みしたばかりのところ、母が最新刊を購入したというので早速借りてきました。(※読みだしたら止まらない

最新刊のタイトル「別れの季節」とあるように主人公おやすの恩人や大親友との別れ、涙ぐみながら読みました。悪者やサイコパスなどばかり出てくるミステリーや嫌な人間ばかりのイヤミス、理不尽なことだらけの社会派ミステリーも好んで読みますが、正反対の善人しか出てこない心温まる時代小説、こういうのも大好きです。殺人ばかり起こるミステリーよりこういう小説のほうが精神衛生上は良さそう。

そしてやはり料理の描写は読んでいて楽しいです。
読んでいると「美味しそう、作って食べたい」と思うけれど、どれもこれも手間暇かかって実に面倒そうな調理行程です。井戸から水を汲み、竈に火を熾し、七輪の炭を熾し、魚や野菜を新鮮なうちに下処理する、江戸時代にやっているこのようなことも現代のキッチンで現代の調理器具を使えばう~~んと簡単にできるんでしょうが、それでも「うへーめんどくさい」と思ってしまうわたくし(^^; でも、簡単なのだと俄然やる気になる。小説を読みながら真似して作ったのはこちらです。

ただの卵焼き。

主人が出張中でろくなものを作らない期間、冬場は1人鍋、そしてリゾットが多いですが、これもロマネスコ、カリフラワー、マッシュルーム、枝豆、ベーコン、チーズと冷蔵庫の余り野菜と消費期限切れになりそうなもの、なんでもかんでも入れたリゾット。 

ロマネスコは冷凍野菜でたまたま消費期限が短くなっていたのを安く買ったものです。肉でも野菜でも冷凍庫にあるものって、献立が変わっても大丈夫な時用のほか、日々の食材の買い物で必ず買い忘れがある私にとっては「いざという時」用でもあるんですが、実際は常備してあるものだけでなんとかなることがほとんど。で、1人の期間に「あ~先週も使わず済んだな~」と冷凍庫にあるものを整理することが多いです。自分のためにせっせと冷凍保存しているみたい(^^; つまり夫婦2人だけの生活になったら食材の冷凍保存はあまり必要ないということかも。自分はもちろん主人だって日々の食事で何が「いざという時」なんだか。1つ2つ足りないものがあったって全然かまわないですもんね。

小説の中では野菜は丁寧に下ごしらえして飾り切りなどして何手間もかけて作る1品ですが、私は冷凍庫に忘れていた変わった野菜含め余り野菜全部ぶっこんでリゾット。冷凍庫はおろか冷蔵庫すらない江戸時代とはえらい違いの料理。 

自分1人の夕食のために飾り切りしたり下ごしらえの面倒な野菜を使って煮物などは真似しませんでしたが、卵焼きがけっこう頻繁に出て来て、小説に出てくる中最も簡単な料理なので毎日作りました。

そして、最新刊を読んだらまた卵焼きが。今度は前の出汁巻き卵とは別の卵焼き。主人公のおやすの親友の大店の奥様は長屋のおかみさんが作ったような砂糖と醤油を入れた「色黒の卵焼き」が好き、という行がありまして、でも大店の奥様たるもの、そのような庶民の味のものを食べるものではないと、、、うちの娘もお弁当の卵焼きは「色黒の卵焼き」が好きでした。私もです。長屋のおかみさんの作るような卵焼きが好きです(笑)

ということで昨日は娘のお弁当に作っていたような、甘めのお醤油味の卵焼きにしました。お砂糖多め、醬油味でも江戸時代とは違って調理器具がすごいから「色黒」にはならないんですよね、さすが令和時代のテフロンパン!(^^)!


「甘い卵焼き」、お弁当を作っていたころは毎日作っていましたが、卵焼きって自分1人の時の食事にはあまり作らないですね。ゆで卵にしてサラダに添えたり、どうせならと余り野菜や半端に残っている冷凍庫のひき肉を入れたオムレツにしてしまいます。久々に卵焼きパンを出してせっせと卵焼きを作った毎日でした。

料理の描写がふんだんに出てくる小説を読んでいると食べたくなるし、それが庶民の味、庶民の簡単な料理だと俄然やる気になってその日の夕食などに作ってみたり。
私の場合はだらけた気分にやる気を起こさせる効果ありです。