シリーズで読んでいる最中のミステリーがイギリス北部のシェットランド諸島の島々を舞台としたアン・クリーヴスのぺレス警部シリーズです。

最初の季節ごとのシリーズ「シェトランド4重奏」がミステリーとしても面白い上に、閉じられた田舎の閉塞感、島々での人々の暮らしや思いや闇など、物語としてもとても興味深かったので、続きのシリーズも買いました。「シェトランド4重奏]の最後の最後の終わり方が驚きの展開だったこともあり、どうしても続きを読みたくなったのもあります。

続きのシリーズも4冊で、ミステリーは単独のお話ですが、ペレス警部を中心とした人間関係も島の人々の暮らしなども舞台の島々を変えて展開するのでこちらも順番に読んだほうが良いと思います。

続シリーズは水、空、地、炎の順番で、4冊そろえて水、空までは一気読み。
そのあともすぐ読むつもりが、婚礼箪笥の処分について調べたり、娘のアルバムの整理をしたりで間があいてしまいました。昨日やっと続きの「地の告発」を読みました。

ミステリーは毎回面白いですし、物語もここでかなり進展しました!
この後が楽しみです。

このペレス警部シリーズはシェトランド諸島の文化や、極寒、白夜といった気候、島民全て知り合いという閉塞感と人間模様など、ミステリー要素を除いても面白く読めるところが良くてはまっています。1番最初の「大鴉の啼く冬」で登場した島民から疎まれ除け者にされ続けてきた孤独な老人マグナス、心優しい彼のその後の人生について今回の「地の告発」でわかるようになっておりそこもとても良かったです。1冊目の読了後から気になっていたところだったので。

それと今回最初のほうから気になった表記があったので早速スマホで調べたことがあります。昔は本を読んでいて、特にそれが馴染のない遠い外国のお話だったりするとわからないまま、想像だけでなんとかする、ということが多々ありました。ストーリーに関係のない小物だったり料理だったり、ただのキッチンで使うものであっても気になったものです。それが今はスマホでササっと検索すると画像付き、説明付き、どなたかのブログで実際の使用例まで載っていたりで本当にありがたいです。

で、今回調べたのが「アーガ」なるもの。

舞台の島の農家を改装した家のキッチンに通される場面やB&Bのキッチンの場面など、やたらと出てきて「巨大な大型こんろ(アーガ)が壁一面を占めており」と大型こんろとは何かはすぐわかるので最初は気にしなかったんですが、いちいち「アーガ」とルビがふってあるのですごく気になってきた(笑)

調べると鋳物製でエナメル仕上げのオーブン。「英国人にとって憧れのステータス・シンボル」でもあると。同時に4か所で調理できる=オーブンの扉がいくつもあり扉ごとにロースト用、スロークッキング用、保温用と温度が違うらしい。お値段150万ほどだそうです。すごいオーブン(@_@)

しかも、いったん火を消したらつけるのに24時間くらいかかるのでつけっぱなしにしておくのが普通だそうです。日本じゃそんなオーブン考えられませんが、寒いところではそれがストーブ替わりにもなるらしく、今回読んだミステリーも舞台が夏でも寒いシェトランド諸島だったのでそのような使われ方でした。

「アーガ オーブン」で検索すると実際使われている方のブログもヒットしますし、イギリスでは普通にあるオーブンみたいですが、私は名前も知らなかったです。つくづく便利な世の中になったなと思います。その代わり想像力は減退するかも・・・