朝の連続テレビ小説「らんまん」は私が好きなタイプのドラマだったので、久々に観ることを決心してよかったです。毎回楽しみです。

先週、主人公万太郎の祖母タキがその生涯を終え、第一章の終わりという感じでした。タキが植えたばかりの桜の若木を見ながら自分は見られない未来、大木に育った満開の桜の木の下で孫の万太郎と綾の家族、子どもたちがお花見をしている場面を想像し「らんまんじゃ」とつぶやくラスト、主人公万太郎の活躍はこれからなので物語の佳境は今からなのはわかっていますけど(笑)ドラマ全体の最終回でも違和感ないような感動的な終わり方でした。

自分が同世代だからかタキさんの生涯をとても興味深く観ました。
朝の連ドラは子どものころから馴染があり、ずっと観ていた時期もあり、断続的ではありますが、とにかくどのドラマよりも長く観続けているドラマです。
幼少期から晩年までの「主人公の一生」を描くものが多いですが、「祖母」にここまで感情移入できるのはやはり自分が「祖母世代」になったからですね。久々に観始めたら同世代は祖父母の役どころよ( ;∀;)

タキさんが年を取ってもう長くはないと思わせるシーンでのセリフ「15の時に嫁いできて〇〇ももう50回目」・・・え~~~?!タキさんって65歳なのね~~私と4つしか違わないのね、それでもう死にそうなのね( ;∀;)江戸末期から明治ってそんな感じだったのね・・・小学校で習った(?)歌「赤とんぼ」、山田耕筰の歌詞「十五で姐やは嫁にゆき~」と歌いましたけどね( ;∀;)
今の子たちは(アラサーの娘でも)小学校でこの歌は歌っていないでしょうね。

そんなことを思い、この祖母タキさんという人の生涯って、孫の植物学者万太郎の生涯と同じくらいドラマチックで、タキさん主人公でも朝の連ドラが1本充分に書けそうだなと思いました。朝の連ドラって観ている人たちそれぞれに話の傾向の好みがあると思いますが、私はなんといっても「女の一生もの」これが1番好きです。

タキさんは江戸時代末期、15歳で大店の嫁となり、先代当主の舅姑を見送るのは当然としても、夫のみならず自分の娘と息子、その嫁、全員まだ若い時分に先立たれ、大店の本家当主として残された跡取りの孫を幼児のころから育てるわけで、すごい人生です。大店の本家の伝統を守ることを自分の使命として生きて明治の世となり、時代の移り変わりに孫が自由に生きることの後押しをしてその生涯を終える、ドラマチックです。それまでちょこっとしか出てこず、出てくれば主人公の万太郎に嫌味を言うばかりの分家の叔父と従兄弟たち。先週の最終話では分家としてのこれまで受けて来た扱いについて感情を爆発させるシーンが迫力で、描かれていなかったのに当時の大店の本家と分家についてもストーリーが目の前に見えるような・・・朝の連ドラになったらかなり面白いものができそうですけど!

「女の一生」ものでは母がよく言っていたのは「おはなはん」、これがとても面白かったそうです。私が観たもの(少ないですが)の中では「鮎のうた」「すずらん」「カーネーション」が好きでした。※「おしん」は別格なので除外です。「おしん」を比較に出すのは反則な気が(笑)

男性が主人公のは観たものは全部面白かったです。「マッサン」「まんぷく」「エール」これも一生ものですからもれなくついてきた妻の人生も一緒でしたしね。

「女の一生」しかも何世代かに渡るものはもっと好きで、観ていた母と妹(2人ともドラマでも小説でも面白いと思うものが同じ)が「最近では稀にみる面白さだった」と言っていた「カムカムエヴリバディ」を観なかったのは残念でした。

時代が違えば常識も違い、当然人の生き方も違ってきますから、自分の知らない時代だと興味深くドラマチックに感じるんだと思います。とすればドラマの中ではもう「祖母」の世代である自分なので、私自身は何とも思わなくても、子や孫の世代からすれば昭和の時代もたいそう興味深くドラマチックで面白いと感じるのかな?(笑)

昔、祖父母から聞いた祖父母が若かった時のこと、もっとさかのぼって子ども時代のこと、確かにとても興味深く面白かったなぁ~と懐かしく思い出しました。